私は、特別養護老人ホームに奉職し、老人のお世話をする機会をいただきました。ここに紹介する文章は、施設内で起きたことのうち、忘れることができないことを記したものです。5年あまりの在職中、介護現場の有りのままを判っていただきたいと願って纏めたものです。

とうとう、65歳以上が人口の22%を超える「超高齢化社会」がやってきた。まもなく国民4人にひとりが高齢者になる。社会問題として警鐘がなされている核家族化と少子化、高齢者の健康保険と介護保険問題、老々介護と家庭内暴力と自殺者の増加は、国民にとって辛い現実である。現在は、ある意味で社会全体が破局に向かって進んでいるが、これらの社会現象は我々国民が自分で招来した結果であるし、厚生福祉行政のミスリードによるところもある。

国は財政破綻の危機に見舞われている。おねだりの福祉だけでは、現状をさらに悪い状態にしてしまう。国民も自助努力を相互扶助による安全な社会構築に力をあわせなければ、明るい社会はない。